ふと思い出した話を。
その昔。
けっこう昔。
住んでいた家の斜向い、
はす向いって斜向いなんだね。
そりゃそうだが、はす=斜め、
意味は合っているんだが、何か解せない漢字感。
解せない、って理解できない、って意味だから解せるが、
オッケー!の意味合いとして、解す!ゲス!
なんて流行ってしまったら、英語のGUESSとの意味合いが
微妙に近くてややこしくなるから、
流行らせないようにしましょう。
おやびん、了解でゲス。
ほら脱線。
俺は京浜東北線か!ってコラコラコラ。
そう言うことはインディーズ電力社内だけで言いましょう。
そうそう。住んでいた家のはす向いに、
とても難しい漢字感で、いったいなんてお読みしたらいいのか、
なんてお声掛けしたらいいのか、そんなやわらかい圧のあるご一家が住んでて。
大型犬顔の(緒形拳の誤字ではない)オヤジさんは豪快で、
廃品回収業者の「御不要となった~」に、
「やかましいいい!」と怒鳴っちゃう。
でもいつもは朗らかで話してて楽しい。
「御不要となった~」「やかましいいい!」に、
「そうだそうだ!うるせえええぞ!」と乗る俺。
みたいな関係。
奥さん(推定年齢56歳)は、いつでもピンクのフリフリなスカート
をはいてらして(推定年齢56歳)、密かに俺は、パー子さん、とお呼びしてた。
なら結果、オヤジさんの事はペーさんと呼んでたの?
いやいや、かなりの大型犬顔なので、インパクト的にペーはハマらず。
林家で言うなら、いや、言わない。
その仮称・パー子さんともオヤジさん程ではないが、
会えばご挨拶、暑いだの寒いだの少しの会話を。
で、俺よりは若干若めの、って年齢の場合は、弱冠か?
すいやせん!味噌汁に若干若布を!ってセリフが脚本に書いてあったら、
って思うと、いや、思わない。ワカメを追加トッピング?
しかも若干量って。どんな定食屋なシチュエーションだ?
新喜劇でも無かろうよ。
はい戻って。若そうな息子さん夫婦とは、会話したことはなく。
ってのも、時々いる。住んでないのかな?と思うといる、と、いない。
な、四人家族っぽい林家。
じゃねえや、ええと、緒方さんでいいや。
とある晴天の日。
洗車日和だな!ってことは洗車しよう!と、
我が家の前に停めてある我が車をゴシゴシしてたら、
緒方さん(仮名)宅からなにやら怒鳴り声。
お?オヤジさんと息子さんで親子喧嘩ですか?と、
宅を見た瞬間、
がっしゃーん!と、目を疑う光景。
2階の窓から結構デカ目の炊飯器がガラスの破片と共に路上へ。がすん。
路上の炊飯器、キラキラきれいね、な、シュールな光景に唖然としてると、
玄関からパー子さん、ホウキとチリトリでもってささささーと掃除。
炊飯器抱えて宅内へ。
残された俺は何事も無かったような、でも、確かに窓枠しか無い2階を見る。
通りかかった人に、「なんすか?今の!」と問われ、
「なんすかね?」と。
飛んできたのが炊飯器じゃなく、ブルース・ウィルスだったら、
「ダイ・ハードですね」とか、便器だったら、
「リーサル・ウェポンです。の、確か3ですよ」とか答えられたんだけど。
今日の我が街の空に、そんなことを思い出しました。
ちなみに、大型犬顔のオヤジさんは小型犬を飼ってました。
そんなオチです。
いや、落ちた炊飯器がオチか。
お後がよろしいようで。
No.666。