エピソードをひとつ。
DS会員にだけ話す。
だから、誰にも言わないでね。

第一期ZIGZOの、結果、ラストシングルになった曲。
「Chelsea」って曲。
当時の(今も、か)のディレクターが呼んだプロデューサー。
有名な人だ、って思いつつ、どんな風に原曲をイジられるんだろ?
ってドキドキしてたら、
ここだけコード進行をこうしましょう、
その上に乗るメロディは宿題です、って。
あ、なるほど!って頑張る俺、いい感じ。
数日後、宿題を提出したら、合格です、と。
で、いざ、録音開始。
ドラム、ベース、ギター、俺のギター。
で、歌。
数回歌って、コンソール(ややこしい機材やらデカいスピーカー
が並んで、関係者風情が腕組んで考えてるフリしてる場所)に戻ったら、
みんなが俺から目を反らす。
変な空気。
あれ?歌良くなかった?
って聞いたら、
いや!良かったよ!良かったけどさって、
全員がプロデューサーの顔色をうかがってる。
なになになに?!って詰め寄るも、みんなニヤニヤ。
で、誰かがプロデューサーに、
哲本人に言ってやってくださいよ!って。
すると、プロデューサー、
いや、僕は言いません。
え?なんすか!ってしばらく詰め寄る俺。
しばらくして、やっと、

僕は普段は人を褒めないんです
でもね 言います
哲君 君は 本当に歌が上手い
ずっと 歌っていく資格があります

嬉しかった。
今でも、時々思い出す。
夜明けを待つ、眠れない夜に。

佐久間正英さん。
お疲れさまでした。

いつかまた、宿題をください。
そしてまた、
褒めてくださいね。

                  No. 666。