久しぶりの更新であいすいやせん。
渋谷と札幌と室蘭と札幌に来てくれた皆さんにあらためて感謝ね。
表日記で脱線しかけた箇所が幾つかありんすが、
こちらでは脱線します。

10/7のリハーサル終了後、渋谷の街を徘徊。
数年前まで住んでた町だが、人が多いね。
パッと見は変わってないが、裏路地に入ると、やはり。
古いお店が消え、新しく。
その新しさも、半年後の商売替えを睨んだ簡素さ。
働く人の姿よりも、その上の資本が見え隠れする。
俺の角度か。
そして整形美人が増えた気がする。
よく見てみな。
整ってるようで異形だ。
韓流スター達はCGアニメのようだ。
蝋人形はマイケルジャクソンのみ許容する俺の徘徊の目的は、
仲井戸麗市師の楽屋訪問。
夏を乗り越えた師は、秋の清々しさを顔の表情にも得てる。
のは、お互いに、なはずなのに、俺はあかん。
白目が黄ばんでる。気がする。
角度ばかり覚えて、真直ぐさを失ったか?
夏や秋、また次の夏の話を沢山し、少しだけステージを覗き、
共演がGOING UNDERGROUNDと知って、
「なんで俺じゃないんだ!」とぼそりすると、
CHABOさんの事務所の社長に「100年早い!」と笑われ、笑う。
社長は俺を育ててくれた恩師でもあるのさ。
今回の彼らの共演は、雑誌の対談がきっかけらしいが、いつか
「よお、哲!セッションしようぜ!」と師に言われるまで、
白目を白く磨き、俺の目が黒いうちに。
へいへい。長い旅路だぜ。
と、家路の車内からの渋谷の街並は、
整形手術を繰り返しもう後戻りが出来ない。

10/9、スピリチュアルの自分の出番を終え、近藤高橋さんを楽屋から。
いつもの楽しい楽しいMCで、話題が「琴似製麺のソース焼きそば」に。
それは、地元札幌の学生達のソウルフードらしく、
LAWSONでしか売ってないらしいのだが、
袋に入った焼きそばで、レジでチンしてもらって、
袋から直で割り箸で喰らう。らしい。
その近藤さんの解説を聞いて「知らない!食べたい!」と悔しがる高橋さん。
ならばよし!と、会場を出て、LAWSONを二件まわり、
「琴似製麺の塩焼きそば」を発見&即購入、本番中に差し入れる俺。
ドラムセットに座ってスティック持たずに割り箸持って、
焼きそば食ってる人。高橋浩司。
さすがだ。

10/9の深夜。
話題は翌日の室蘭名物。
カレーラーメンと室蘭やきとり。
「本番中に焼きそば」の興奮冷めやらぬ高橋さんは、スマートフォンで情報収集。
名店と言われる「大王」着を13時と設定し、解散。
10/10は11時出発で、ジャスト13時着。素晴しい。
外観、内装を見て一同「完璧なジャケットだね」「ジャケ買いだね」
と期待も膨らむ。
食べる。率直な感想。
「俺が作った方が美味い」
と、言おうとしたら高橋さん、連れて来てくれたcageに気を使ってか、
「最高だよ!」本当ですか高橋さん?
黙って食べる近藤さん。ですよね。
夜な夜な、「ええねん」代表の牛田君が室蘭やきとりをご馳走してくれる。
美味いねえ。ハセガワストアな感じ。
で、酒も進み、話題はカレーラーメンへ。
酒の良いとこはね、普段言えないような事も後押ししてくれるとこ。
「反省会」あらため「明日への希望の会」には必需品だわな。
口々に「55点!」「45点!」「なんだあのオヤジ!」
「ラーメンなめてんのか!」「競合店がないからだ!」
「怠けてんだ!」と、最終的には真横にラーメン店を出店する事で決着。
ま、ノリで言ってるだけで、マズくないですよ。
こちらの期待がデカかっただけですハイ。
俺の道内ラーメンの基準値は「めん三郎」ですからね。
名物に美味いモノ無し、って言いますが、
名物になったらあきまへんえ。
あぐらかいたらあかん。
日々精進。
気になる人は、行ってみたらよろし。

10/11は東京戻りの高橋さんと千歳空港までドライブ。
途中、どうしても!と、ハセガワストア直系のセイコーマートで
やきとり弁当を喰らう高橋浩司。流石だ。
空港では「一幻」のえびそばを食ってから搭乗する予定だそうだ。
高橋浩司ここにあり、だ。
な、道中、2日間ご一緒だった近藤さんの「everyday,everynight」が
頭の中をぐるぐる。名曲なんだよね。本当に。
近藤さんの人柄が本当に良く現れてて、何度聴いてもぐっと来る。
ここで持論を展開。

名曲はどんな壁も越えていく。

と、気付いたのは20歳の頃。
小学5年生でロックに目覚めたマセガキな哲っちゃんは、
いい!と思った音は何でも受け入れ、貪欲に探して。
小学校6年生でエレキギターを手にした時には、
早くも、一生の仕事!と心に誓い。
高校卒業後にはすぐ、バイト先や新宿ANTI-KNOCKや新宿LOFTで
知り合った仲間とバンドを組んでは解散の日々を過ごし、
あの有名なMリスMゼルの創設に関わるのだが、
バンドが人気を得だした頃、
MTVで観たExtremeというバンドのHole Heartedって曲のビデオ。
街角で歌いだすメンバー、集まりだす人々。
ってだけのシンプルな内容なんだが、うわ!と思った。
音楽は性別も年齢も人種の壁をも越えていくんだ。
と、自分が5年生の時に喰らった洗礼を客観視。
自分が探して来たものはコレだった。と、
涙がこぼれて、何度も何度もそのビデオを見返した。
そしてメジャーデビューの準備中だったあのバンドを脱退したんだ。
某T芝のディレクターに駅まで追いかけられたよ。
「君はチャンスを捨てるのか?必ず後悔するぞ!」って。
いや、違うね、後悔は一度もしてない。
反省はした。メンバーに迷惑かけたからね。
でも、僕にとっては、
チャンスそのものだったんだ。

ロックはそもそも異形の種であって、
それまでの音楽や体制からの反骨の象徴であった。
子供の頃の僕にとって、その魅力は暗闇から睨まれてるような輝きだった。
ロックには様々なスタイル、表現の手法が在るが、
二十歳頃の僕は、思えば、
異形が自らを異形と開き直り、
その壁を高くすることに高揚感と違和感を覚えながら、
でも、文化祭の延長を楽しんでいるかのようなバンド活動だった。
未来への不安なんてまだ遠い先の事で、
ただ我武者らな野望だけを頼りに、
自信の無さだけを抱えた物同士が寄り集まり、
この吹きだまりから脱出する手段なら、
手当たり次第に夜の街にまき散らしていた。
別角度からもう一度、
デルタブルースから始まった異形の悲しみは、
いつしか市民権を得て、人ごみの中で自らの形を見失い、
鏡の前で口紅を顔中に塗りたくる。そんな感じだ。
それは僕にとっては決して自然な事ではなく、
これが一生の仕事なのか?と自問自答の歌だった。
父親の仕事、祖父の仕事、兄弟の友人の仕事を目の当たりにしながら、
自分の仕事が世間の言う「チャラチャラしやがって」そのものに思えてた。
そんなある日の夜明け前。
ブラウン管からのHole Heartedで気付いたんだ。
悪魔的なダサいファッションはパンクロックに破壊され、
資本家達が作り上げた栄光と繁栄の80年代商業音楽は、
僕の「本当の自分って誰なんだろう?」という青春の迷走を道連れに、
サーストンムーアとカートコベインが発明したグランジによって
粉々にぶち壊されたっていう真実に。
時代の先頭に僕は立ってるって事実に。
異形のカリスマは言った「早く人間になりたい」
そう。僕は本当の自分ではなく、早く人間になりたかった。
一人前の人間、若しくは、誇れる自分。
自分に嘘はつきたくなかった。
不器用な僕にはいくつもの手法は持てなかった。
音楽を演奏する。
ただそれだけの手段で人間になりたかったんだ。
ただそれだけの手段で壁を越えようとする人間に。
忘れてたのではなく、気付いたのでもなく、初めて知ったんだ。
僕はそう言う人間になりたいんだって。
だから、チャンスそのものだった。
そんな風に僕の迷走は夜明けを迎えた。
ちなみにExtremeはその一曲しか知らない。

今でも、ロックは反骨の象徴、で在るべきだと思う。
異形であるべきだと。
異形の形は未だに様々ではあるが、
何を以て異形とするか。
あ、冒頭で整形美人を異形って言ってたな。ま、置いといて。
髪型?確かに現状はモジャモジャですが。
僕の定義は、
僕の中の僕にしか見えない風景、僕にしか聴こえない音を、
誰も聴いた事の無い音楽を、異形とする。
突然変異の様に、この世に突然流れるんだぜ、僕の音楽が。
そしてもちろん、どんな壁も越えていくんだ。
それこそが異形であろう。
世界にまだ流れてない音楽を発明するんだ。

何の話だっけ?
ああ、ラーメンだ。
札幌に行く度に必ず訪れていた「めん三郎」が閉店。
寂しいしきりです。
で、札幌の友人に紹介してもらった店がアタリで。
なんというか、これまた異形。発明品。
「虎鉄」って店だったかな。
室蘭「大王」のオヤジに食わせてやりたい。
そして一言、
「王様は裸じゃないか!」
と言おう。

                No. 666。